
新規事業開発2.0:解釈学的循環による新たな総合の試み【第3回】
本稿では、最も多くご用命を頂いてきたテーマである「新規事業開発」に関わる理論的枠組みを本質から問い直す試みとして、従来型の「計画駆動」から「機会駆動」型への転換を慫慂し、過去30年強のコンサルティングキャリアの中で提案、或いはハンズオンの実行支援の機会を頂いた個別または部分的一連のアプローチを「適応型機会創出モデル(Adaptive Opportunity Model)」として体系化を試みます。
本稿のサブタイトル「解釈学的循環による新たな総合」は、新規事業開発の方法論を再考するための認識論的姿勢を表しています。全体と部分を循環的に読み解く解釈学的アプローチによって顕在化する理論的緊張を、弁証法的に止揚し、新たな理論地平の「総合」を目指す思考運動の試みです。既存パラダイムの安易な否定や表層的折衷ではなく、その内在的矛盾への建設的批判と、理論・実践の往還から生まれる知の再編成を通じて、現代の複雑な事業環境に適合した新たなパラダイムの可能性を探求します。
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