
新規事業開発2.0:解釈学的循環による新たな総合の試み【第3回】
ご批判を承知で申し上げれば、総じて日本企業は極めて高い技術力を持ちながらも、その大小に限らず単体のプロダクト(製品、技術、サービス)をプロジェクトとして統合的に設計・主導する「プロジェクト・エンジニアリング」の力が弱いと感じています。世界を揺るがすほどのイノベーション、またはニッチ市場で世界トップクラスのシェアを持つグローバルニッチ(小型精密モーターのニデックや、ボールベアリングのミネベアミツミ等)でなければ、プロダクトが単品で売れる時代ではないという問題意識です。
本稿では、その命題に反してプロダクトからプロジェクトへと戦略転換し成功を収めた事例と学術的基盤を整理するとともに、技術・ファイナンス・組織改革を一体的に進めるプロジェクトエンジニアリングについて考察してみようと思います。
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